日本語教育能力検定試験への対策と手段

年に一回だけのチャンスに合格できるか否か、合格率20%という5人に1人になれるか否か。できれば一回で合格したいと願うのは誰もが同じでしょう。

合格のために何をすればよいか、合格した人はどんなことをしてきたか、その対策と手段についてお伝えします。

合格するための方法は二つ

日本語教師養成学校の検定対策コースに通う

学校の勉強からいったん離れてから自学で勉強していくのは、思ったより難しいという声を聞きます。「字を見ただけで頭が痛くなる」「机に座ってテキストを広げたとたん眠気が…」。勉強のことだけ考えていればよい学生ではないので当然ですね。

そんな方は、日本語教師養成学校に通うことをおすすめします。仕事や家事との時間的両立は難しいでしょうが、多少無理でもしないと受からない、やらないと受からない、これは事実なのですから。

「時間」を作る!「場」を確保する!これらのことに自信がない人は養成学校に通うことをおすすめします。

仕事人、主婦、母など違う役割を持っている場合、特に家族のこまごましたことをすべて担う家庭の主婦などは、家庭という場と勉強の場との切り替えが想像以上に難しいです。いらいらして家族に当たるより自分が別の場に出てしまった方がすっきりできます。

学校に通うことのメリットは他にも数多くあります。教育実習や授業見学などできますし、日本語学校が併設されていることも多いので、モチベーションを保つのにも役立ちます。

検定対策講座としては、東京中央日本語学院(TCJ)の日本語教育能力検定試験対策ゼミが有名です。

独学でする

近くに養成学校がない、時間の都合がどうしてもつけられない場合は独学でします。もちろんこれも不可能ではありません。今はよい教材も出てきています。ここでひとつ注意です。

「勉強する材料を十分に準備する!」

養成学校に行かないという選択をした場合、そこにかけるお金と同程度かけるつもりで十分な勉強材料を事前に用意してください。それが面倒な人は学校に通った方がよいかもしれません。以下、勉強する材料についてご紹介します。

アルク「NAFL日本語教師養成プログラム」

試験範囲をすべてカバーしたテキストに加え、補助教材も充実しています。講師によるセミナーDVD、区分別問題集、合格するための用語集、合格するための記述式問題集、合格するために必要な情報や日本語教育についての記事集です。ずっと昔にこれを利用し合格したのですが、補助教材は後から加わったのではないでしょうか。さらにパワーアップしていますね。

指定された東京・新宿の学校で、実習プログラム(有料)も年に3回あります。また合格パックを申し込んだ場合は時期が来ると日本語教育能力検定試験受験案内(願書)が自動的に届きます。これは嬉しいですね。忙しくてつい時期をはずしてしまいそうですから。

もうひとつ嬉しいのは、8月に全国何カ所かで行われる模擬試験(無料)です。過去問を使って当日と全く同じスケジュールで行われます。本番に弱く緊張しがちな人はぜひ受けておきましょう。

さらに嬉しいことに、過去問解説セミナー(有料)があります。さまざまな試験すべてがそうですが、正答は後でわかってもなぜそうなるのか知りたいということはよくあります。このセミナーでは前年度の過去問について重要問題を中心に解説してもらえます。そこで検定対策のベテラン講師に会うことができるのも大きなメリットですね。

ヒューマンアカデミー「日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド」

試験範囲が網羅されているのでこれを繰り返し隅々まで読めば、かなりの力がつきます。ただしアルクのテキストでは何冊にもわたっているものが一冊にまとめられているので、当然解説は懇切丁寧というわけにはいかず、それだけで理解できる力のある人はよいですが、読んだだけではさっぱりわからないという人にとっては不向きでしょう。

日本語国際教育支援協会「日本語教育能力検定試験」

過去問です。毎年出されているようですが、残念ながら解説はありません。ひととおり勉強したところで、力だめしに実際の試験時間を守って解いてみるのによいでしょう。全体を知ること、時間配分をつかむことは、受験前には必要なことなのでそのために使います。これで勉強するわけではありません。

アルク「日本語教育能力検定試験に合格するための用語集」

先に挙げたアルクの補助教材のうちの一冊ですが、これは使えます。用語さえしっかりわかっていれば解ける問題もありますし。移動の電車の中で見るのに最適な本です。

アルク「日本語教育能力検定試験に合格するための記述式問題40」

これも補助教材の中の一冊です。模範解答を書き写すだけでも十分勉強になります。

まとめ

どちらの方法が自分に合っているか、状況的にどちらが継続しやすいか、よく検討してください。何より大切なのは、どれくらいの時間をかけるか、真剣に向かえるか、集中できるかです。量と質のどちらも最大限にとれる方法を選択してください。

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