卒業後は就職!という留学生に最適なプログラムがあります!

雑誌Wedgeの2018年12月号の特集のタイトルは「留学生争奪戦-金の卵に群がる産業界と大学―」とあります。失踪する技能実習生、留学とは名ばかりで稼ぐことを目的とした偽装留学生に関するニュースや番組がTVでも報道されるようになり、それまで隠してきた事実がもう隠しておけなくなったことの表れでしょう。

日本語教育に携わる者たちにとってはこういった変化は今初めて知ることではなく、生き残りをかけて早い段階から対策を講じています。仕事をするのが主目的の留学生でもいいから積極的に受け入れていく、やるしかないという学校もあります。一方、卒業後は進学ではなく就職しか考えていないという学生を満足させるためのカリキュラムに変更しつつある学校もあります。

そういった各日本語学校の取り組みを公に見える形にするためなのか、日本語教育振興会では新たな認定項目が設けられていました。
そのうちのひとつである「日振協ビジネス日本語準拠プログラム」についてご紹介します。

日振協ビジネス日本語準拠プログラム

この認定を受けるにあたっての「日振協ビジネス日本語準拠プログラム」の目的、内容を簡単に抜粋します。

プログラムの目的

社会経験の少ない留学生等の外国人が、言語・文化の壁を乗り越え、ビジネス課題を達成するための日本語コミュニケーション能力を身につけることにより、日本社会のニーズに応え、価値ある人材として国内外の日本企業及び日系企業等において求められる能力を発揮し、企業活動に貢献できる人材になること。

プログラムの内容

  • 20時間以上をビジネス日本語プログラムにあてること。独立型と選択型の二つのコースも可能だが、選択型であっても授業時間数の30%以上はビジネス日本語関連のものとすること。
  • 一般日本語とビジネス日本語のバランスに留意すること。
  • 授業項目を、日本語力/日本社会と文化対応力/社会人基礎力の3本とすること。就職活動を含むキャリアデザインはオプションとして各校の判断で可能。

プログラムの授業時間

  • 標準は1日4時間、週5日。期間は1年~2年。
  • 1年間の授業時間のうち、760時間以上は日本語の授業(ビジネス日本語を含む)にあてること。

到達レベルの目安

留学生の日本語力を測るテストとして依然使われているのはJLPT(日本語能力試験)ですが、ここで初めてNBJという名のレベルが登場します。NBJは「日振協ビジネス日本語」の略で、JLPTとのレベルの比較が書かれています。

NBJレベルは1~8まであり、8が一番高いものになっています。
(数字の大きい方がレベルが高いということでJLPTとは逆ですね。ややこしい…)
一番易しいNBJレベル1は、JLPTでいえばN3レベルです。

NBJ レベル 1・2=N3~2(J3)程度
NBJ レベル 3・4=N2~1(J3~2)程度
NBJ レベル 5・6=N1(J2)程度
NBJ レベル 7・8=N1超、(J1)程度

 

プログラム実施に求められる教師像

その他の項目として、インターンシップの実施、学生の評価についても説明されています。中でも、私が注目したのは求められる教師についての項目です。

よい教師かどうかは学生の評価によって決まると考えます。しかし、その他大勢の教師ではなくオンリーワンの教師だと自負したい、端的にいえばどの学校からも欲しがられる貴重な人材になりたいと思うのは自然なことです。

プログラム実施にあたって必要な3種類の教員

  • 言語系日本語教師:日本語教育をベースとした日本語教師
  • 非言語系ビジネス日本語教師:ビジネス経験をベースとした日本語教師
  • ゲストスピーカー:ビジネス関連専門家等で日本語教師でないもの

「カリキュラムの中でバランスよく配置することが望まれる」と書かれてはいますが、具体的な割合は明記されていません。

3種類の教師の立ち位置

中味を見ていくと、それぞれの種類にあたる教師の要件があります。プログラム担当責任者は「言語系日本語教師」であり、その下に「非言語系ビジネス日本語教師」と「ゲストスピーカー」がつくといった形になっています。それぞれの要件は以下の通りです。

  • プログラム担当責任者:日本語教師歴5年以上で、かつ、ビジネス経験又はビジネス日本語教育歴3年以上を有すること。
  • プログラム担当教員:ビジネス経験3年以上(日本語教師歴及びビジネス経験の合計3年以上)を有すること。
  • ゲストスピーカー:講義の内容に関し専門的な知識を有すること。

日本社会に長年貢献し続け、退職した後に日本語教師になった人はプログラム担当教員として重宝されるかもしれません。

ビジネス社会は刻々と変化していきますから、いまどきの方法なども常に仕入れる必要がありますが、今も変わらぬ企業風土やビジネスマナーなどの授業では、おおいに活躍が期待されることでしょう。

実際の現場でもそれは見えていましたが、こうして明確に必要な人材の1種類として示されたことは大きな意味があります。ゲストスピーカーとして専門的な講義もできるのであれば、そのニーズはさらに高くなります。

まとめ

日本語教師ですから日本語の教授力はもちろん大事です。そのためには経験が何より大事で、実際の授業で学生を相手に勉強させてもらうといったことになります。学校側もそれを承知の上で、経験が浅くても今後に期待できる教師と、ベテラン教師とをバランスよく雇い、偏りのないように配置しています。

また日振協でも学校設立の際の教師に関する条件として、
「日本語指導歴1年以上の者は25単位時間まで、日本語指導歴1年未満の者は20単位時間まで」といった基準を設けています。

新しく日本語教師を目指す方々は、こういった具体的条件や状況を掴むと共に、上記のような「日振協ビジネス日本語準拠プログラム」の認定事業などにも目を向けるとよいでしょう。社会が求めている日本語教育の形を探り、それに対して自分の持つ資質、経験が合致するものであるかを考えてみることも必要です。

社会のニーズに合う人材であれば就職も容易く、また好条件で迎えられることでしょう。

参照URL:一般財団法人日本語教育振興協会

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