技能実習生に日本語を教えてみませんか?

日本語教師の生徒は日本語学校の学生が多いですが、他にも興味深い相手がいます。
それは技能実習生。日本語学校の学生とまた違う外国人と出会え、興味深いですよ。

技能実習生って?

技能実習制度とは日本が国の施策として平成5年から創設した制度です。技能や技術または知識を開発途上国へ移転する、開発途上国の経済発展を担う「人づくり」に協力することが目的です

技能実習生とは、この技能実習制度に則ってビザが発行され日本に滞在している外国人を指し、滞在期間は3年です。初めの座学の期間を除きそのほとんどの期間は、雇用関係の下での実習をしながら生活します。日本の企業が海外の現地法人や取引先企業の職員を受け入れる「企業単独型」もあれば、非営利の監理団体が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等で技能実習を実施する「団体監理型」もあります。現状では、団体監理型の受け入れが96.4%占めています。

受け入れの様子

人数

右肩上がりに増え続けています。平成23年で14.3万人、そこから順に数字を挙げると15.1万人、15.5万人、16.8万人、19.3万人と増え、平成28年度には22.9万人の技能研修生が在留資格を得て実習を行っています。

平成28年の数字からみると、ベトナムからが38.6%、中国からが35.4%、フィリピンからが9.9%、インドネシアからが8.2%、タイからが3.2%です。計算して人数を出すと、ベトナム人が8.8万人で中国人が8.1万人です。

職種

全体では74職種あり、中でも受け入れの多い業種は機械・金属関係が1.5万人、建設関係が1.3万人、食品製造関係が1.1万人という数字になっています。他には繊維・衣服関係、農業関係もあります。

受け入れ企業の規模

10人未満が50.1%、10~19人が16.0%、20~49人が15.6%です。つまり従業員数19人以下の零細企業での受け入れが半数以上です。もちろん技術や技能を伝えるという意義がまずあるのでしょうが、人材不足を補うためといった意味合いが想像されます。

日本語教育実施状況

入国後一定期間は座学が行われ、その講習内容は技能実習生に関する法的保護、日本での生活一般に関する知識等と共に日本語も教えます。多くの技能研修生は母国での準備期間と入国後の座学の期間に日本語を習い、あとは実習しながら日本語を身につけていくことになります。

実習中は技能を指導する指導員と日本生活全般の指導をする指導員が中心となって日本語を指導していく場合が多いですが、彼らは日本語教育の有資格者ではありません。また現場での指導が多くなりますが、研修生にとっては実際に役に立ち、何度も仕事を通して復習できるので定着も確実です。

ある程度の規模の企業に多いことですが、外部から有資格者の日本語教師と直接雇用契約を結び、日本語を身につけさせることもあります。日本語能力検定合格を技能研修中のステップアップの目標や目安とするためです。また、休日の生活を規律正しいものにするためといった声も耳にします。

日本語教育の必要性と考えられる問題

受け入れ企業の業種は、機械・金属関係や建設関係が多く、そこでは旋盤やプレスなどの機械を使います。また高いところに上ったり、重機のある現場で実習を受ける建設業などでは、仕事内容によっては危険を伴うことも多く、日本語によるコミュニケーションは必須です。特に増加傾向にある建設業は、現場が煩雑に変わることもあるのでさらに注意が必要です。コミュニケーションが不十分であればすぐに怪我や事故などにつながるのでその必要性は高いと思われます。

技能研修生に対する日本語教育の問題点は、体系的に効果的に日本語を身につけることが難しいという点です。外部から有資格者の日本語教師を招いても、週に1回では定着しがたく、また宿題の形で補おうとしても、毎回出席できな状況もあり、継続的には難しいものです。

もうひとつ別の問題は、指導員の話す日本語が外国人にとってわかりやすい日本語になっていない場合が多いことです。語彙のコントロールをするだけでわかりやすさは格段に増しますが、日本語教育について何も知らない人には「わかりやすい日本語」って何?というところからスタートします。

技能研修生に日本語を教えている日本語教師の生の声

上司と部下の関係が身についているからでしょうか、こちらの指示にさっと従ってくれるので非常にやりやすいです。

なんといっても挨拶が気持ちいいです。会社で鍛えられているのでしょうね。

毎日フルタイムで仕事をしながら日本語を勉強しているのですから、頭が下がります。

日本語を教われる貴重な土曜日でも、会社側は日本語が優先ではありません。休日出勤で仕事をさせることもよくあります。本人たちに聞くと給与が増えるので嬉しいとのことですが、日本語については少しも定着しないので、これでいいのかと迷う日々です。

研修生たちは日本語能力検定合格を望んでいます。会社側にとってもよい目安になるので推奨されることと、本人たちにとっても帰国後役立つ資格だからです。4級そして3級と進んでいきますが、それ以降のレベルは週1回程度の授業では足りないので、自分で勉強する強い意志が必要です。

会話力は早い段階で身につきます。日本語を覚えないことには仕事にならないという状況だからでしょう。

仕事や人間関係などが良好なようで、いつもお世話になっています、といった態度が見られかわいく思えます。

まとめ

日本語学校の学生とはまた異なる経験を得られます。実習として仕事に携わり自活している技能研修生は、生き生きしています。自分でカリキュラムを考え、進めていける自由度の高いところも特徴ですね。興味のある方はぜひ技能研修生に日本語を教えてみてください。

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