新設日本語学校って働きやすい?

最近、縁あって新設されて2年も経たない日本語学校に勤めることになり、気がついたことがたくさんありました。
大都市にあり老舗ともいわれる別の日本語学校にも引き続き勤めているので、比較を含めてお伝えします。

新設日本語学校の特徴を講師側から見る

「オープニングスタッフ募集!」
「皆が同じスタートラインです!」

アルバイト求人誌によくあるフレーズですが、これらを掲げる意味を実感しました。

ベテランも新人も同じ

老舗の学校には、その学校の歴史を語れる講師がいます。
皆にとって頼りになる存在です。

一方で、時には「昔はよかった」といった懐古的な言葉を発し、新しく入った人たちのやる気をそぐことも。
本人にそのつもりがなくても、否定的な方向にフレッシュな新人を引っ張ってしまうことがあります。

しかし、まだ歴史がない新設校であれば、日本語教師歴はさまざまでも、皆でこの学校を善くしていくといった気持ちで取り組めます。

日本語教師歴の浅い人であっても、その学校に勤めている期間が少しでも長ければ、新しく来たベテラン教師に学生の様子や学校内のシステムなどについて教える機会があるでしょう。
それらを通じて、助け合い、協力し合う空気は生まれやすくなります。

教える仕事はひとりで完結できる性質の仕事だけに、こういった関係が生まれやすい状況をつくることは後々のためにもよいことだと思います。

ルールを皆で作っていく

例えば、授業中のスマホ使用はどうするか、教科書を忘れた学生にはどうするか、遅刻の学生への対処など、細かいルールへの厳しさは学校によってさまざまです。
在籍する学生の様子にも大きく左右されます。

また、非常勤講師は複数の学校を経験していることがよくあります。
ですから、決してどの学校も一律ではなく、状況は変わっていくことをよく理解しています。

そういった非常勤講師の声を受け、緩めたり厳しくしたりを繰り返しながら、ルールを皆で決めていくことも、授業とは別のやりがいになります。

学校を始めたからには存続させたいという思いは当然で、そのためにどうしていけばよいかという話し合いも真剣です。

小規模ならではのメリット

新設校であれば概して小規模です。
何百人もの学生を抱える日本語学校であれば専任講師は10人以上、非常勤講師も50人近くといったこともあり得ます。

何か一つするにも講師数の多さから躊躇することも多く、細かい手当などが低い傾向があります。
担任手当、テスト作成手当、小テストの採点や作文添削で授業後の時間を使った場合の時給などの決定は、どうしても遅めであるという話をよく耳にします。

その点、新設校であれば、まずはある程度リサーチを行ないます。

非常勤講師がどういった手当を必要としているかを理解した上で、学校を設立しているのです。
手当すべてが満足できるものではなくても、全体のバランスを見て決定されているので、給与面や手当での不満は少ない傾向にあります。

新設日本語学校の特徴を学生側から見る

老舗の学校はその歴史の中で、さまざまな挑戦をし、学生獲得のための努力を積んできています。
そのための認定を受け、それを目にしたさまざまな国からの学生を受け入れています。
国ごとの学生指導の仕方などの経験値は自然と高くなっています。

進学指導に関する不安

新設校の事務の場合、新入生の受け入れ、ビザ更新で手一杯なのが実情です。
進学指導は書類の締切日に追いかけられながら、専任講師が必死でこなしていくといったこともあります。

ある程度の経験と年数を積めば、何にどれくらいの時間と手間がかかるかがわかりますから、それに見合う人員とスケジュールを事前に確保できます。

しかし、人員もまだまだ不安定な状況の中、どうしても後手に回ることは避けられません。

また、歴史ある日本語学校であれば、提携関係にある専門学校などが存在する場合があります。
学生本人の希望に合えば進学もスムーズですし、何より心強いことです。

進学指導が丁寧

上記と矛盾するようですが、小規模だからこそ細かいところにまで目を配って、気にかけてもらえる場合もあります。
例えば、提出書類のチェック、願書の書き方指導、受験料の払い込み方法などです。

大規模の老舗の学校では、

「学生数が多さゆえに一人ひとりに手をかけるのは人員的にも時間的にも無理・・・」
「学生の自主性に任せて丸投げ状態」

という話も聞きます。

親代わりともいえるほどに丁寧な指導を期待するのであれば、新設校の方がよい場合も多々あります。

学生の出身国に偏りがある

日本語学校を新設する場合、初めにどこかの国との繋がりをきっかけとし、それを軸に学生募集を行なっていくケースは多いです。

また、設立した時期により、学生の出身国にも流行のようなものがあります。
中国からの学生が多かった時期、韓国からの学生が多かった時期などがそれです。
最近であれば、ベトナムからの学生が多い傾向です。

新設校の場合、まずは学生数の確保からのスタートですから、出身国の偏りはあります。
また、その学校の母体がどこにあるのかにもよります。

例えば、介護関係の施設に関連してできた日本語学校の場合は、介護人材を期待しての出身国になることが多いでしょう。

ただし、これは講師側にとってはよくないことが往々にしてあります。
学生の意識が特別高い場合は別ですが、クラスの学生全員の出身国が一つに偏った場合、授業内で母語での会話は多くなりがちです。

お互いへの甘えや、それ以上の複雑な思いもあり、まじめに授業を受けたくても受けられないといったこともあり得ます。

多国籍であれば休み時間に日本語で会話する様子が見られますが、そうでなければ休み時間は母語で話す機会にしかなりません。
ペアワークも、同国人どうしでは十分でない日本語で話すのにためらってしまうこともあります。

まとめ

新設校と老舗の学校、貴方ならどちらがよいと判断されるでしょうか。
どちらも一長一短、よい点と悪い点があります。

ただ、講師一人ひとりも将来のことを考えての計画があるでしょう。
少しでも選択の一助になれば幸いです。

個人的には、複数の学校に勤めることは大いにおすすめします。
また、学生にとっての進路先である専門学校にも併せて勤めてみることもよいと考えています。

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