学生の学習意欲を高める学校とは?

語学勉強の継続は難しいですね。新しい英語の学習方法が次々に生まれては消えていく状況からも、それは容易に想像できます。

留学生たちも同じです。異国での生活、人によっては初めてのひとり暮らしの目新しさから、勉強が二の次になってしまう場合も多く目にします。

学校側がそういった学生の学習意欲をいかに継続させるか、どんな工夫をしているか、少しお伝えします。

進路を決定するための材料を何度でも提供する

ここ数年、外国人を対象とした進路説明会や就職フェアが数多く行われるようになったという変化があります。

進路説明会の多くは、各日本語学校が主催となり実施されます。たくさんの大学や専門学校が招かれ、各ブースに分かれて待機し、学生がそこを訪れるという形式です。

特に大都市圏では立派な場所を貸し切って行われるので、訪れた学生にとって、将来の進路先に明るい希望を感じさせるよい場となります。もちろん現実的な情報を得ることもできます。

また専門学校では、自校にたくさんの企業を招いての就職フェアが行われることもあります。他にも大使館主催の就職説明会イベントに出席、同行するなどを行う場合もあります。こういった取り組みが学生の意欲を高めることにつながります。

 

面談を何度も実施する

学生側からは「面倒だ」といった声も上がる面談。しかし、一人ひとりの希望を聞き出し真剣に将来を考えさせるためには、やはり双方にとって大切な機会です。

今の日本語力が不十分なわりに非常に高い希望を掲げる学生がいれば、その気持ちを削ぐことなく導き、さらなるやる気を起こさせることができるかもしれません。

また、アルバイトをせざるを得ない状況の学生であれば、生活全体について聞き、勉強に支障のない範囲で生活時間が組み立てられているかを確認する機会になります。

何かとストレスがたまりやすい異国での生活の中、体と心の両面を健康に保ち学習意欲を継続させるためにも、面談は非常に重要です。

 

特別クラスを作る

力が足りない学生のために、または限られた期間に希望の進路に到達するために、通常の授業とは別の特別なクラスが用意されている学校もあります。

漢字クラス

非漢字圏と漢字圏の学生の力の差は、読解授業のときに特に感じます。文章全体の概要を読み取るスピードが違うからです。

漢字圏から来た学生は漢字を追うだけで大要をつかめますが、非漢字圏の学生は、見慣れない熟語の意味調べから始まります。読み方がわからなければ形を見て、スマホ上に一字一字を書いては調べたがります。ここが、漢字を見ただけで意味を理解できる漢字圏の学生との違いです。

学校によっては、上級に進んでいく際のこのような差をできる限りなくすために、授業時間外に漢字の特別クラスを作り、初級のうちから積極的に受けさせていくといった工夫がされています。

正直なところ、それでもなお不十分。「非漢字圏の学生は自国で漢字をある程度学習してきてほしい」というのが教える側の切なる願いです。

来日後にもこうして特別に漢字学習時間を設けるということは、非常に意義あることだと考えます。

 

留学試験対策クラス

大学に進学を希望する学生に必要な留学試験は、数学や理科、英語などの基礎知識を問うものです。そういった科目に対して十分な力を持って来日する学生も少なくないのですが、留学試験はそれらが日本語で問われるので特別な勉強が必要です。

また、英語が苦手という学生も少なからずいるので、留学試験対策クラスで英語の授業をしている場合もあります。

 

仕事に直結したクラス

日本語学校の学生の中には来日前からアルバイト先が決まっているケースも、最近増え始めています。あらかじめ介護の仕事をすると決まった上で来日しているフィリピン人学生などが代表的な例です。来日後すぐにアルバイトができるので不安が少なく、結果、学習態度も安定しています。

通常の授業とは別に、進路が同じ学生ばかりを集め、現場でも役立つ教材を使い、仕事への正しい理解を深めるクラスがあれば、学習意欲はおおいに上がるに違いありません。まだまだ試験的にですが、すでに始めている学校もあります。

 

まとめ

学生たちに学習意欲があるか否かによって、授業のやりやすさは大きく変わり、学習結果にも影響してきます。教師個人の声掛け、授業への情熱などももちろん大事ですが、それに加え、学校側の取り組みによっても学生の意欲は変わるのです。

上記のように実際に役立つ指導プログラムが完備できている学校は、学生からの信頼を得ることができ、学習意欲を確実に引き出します。

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