日本語能力試験、受験者増加中!

国際交流基金から出されたプレスリリースによると、2017年、日本語能力試験(JLPT)の受験者総数が初めて100万人を突破したそうです。

これから日本語教師として働きはじめる方にとってはなじみのない試験ですから、少しご説明します。

日本語能力試験とは?

実施機関は国際交流基金、受験対象者は日本語を母語としない人で、小学生から社会人という幅広い年齢の人たちが受験できます。
似た名前のものに「日本語検定」というものがあり、日本で中学受験をする小学生などに人気のある試験ですが、こちらは日本語を母語としている人を対象としており、二つは完全に別ものです。

実施される場所は国内だけにとどまらず、2017年12月実施の試験では、海外76の国・地域、226都市からの参加がありました。日本国内では47都道府県に試験会場が設けられました。
実施は年2回で、7月と12月に試験があります。2017年にはその2回分を合わせた受験者数が100万人を超えたというわけです。

「日本語能力試験」は日本語力を証明するものとして広く認められており、大学や専門学校を受験する際の受験資格や選択目安になります。また仕事上での昇進や昇給にも大きく影響するというアンケート結果もあり、さまざまな場面で有無を問われる試験として認知されてきているのでしょう。

受験者数100万人突破までの数字の変化

1984年から実施された当初の受験者数は国内、海外合わせて約7000人でしたが、年々その受験者数は増加していきました。
1997年には10万人を突破し、その後、2000年には20万人、2004年には30万人、2007年には50万人と順調に増え続けました。
そして年1回から2回の実施になった2009年には過去最高の約77万人が受験しました。

2017年にはついに100万人突破、正確には102万5435人という受験者数になりました。


参照元:http://www.jlpt.jp/statistics/index.html

受験は圧倒的に海外からが多い

100万人の内訳は海外での受験者数が約69万人、日本国内での受験者数が33万人と、圧倒的に海外での受験が多くなっています。
応募者上位国は、中国が約27万人、韓国が9万人、台湾が約9万人というように東アジア地域が高く、合計で44.4万人にもなります。
続いて多い地域は東南アジア、そして南アジアと続きます。

しかし近年、増加率の高い国として注目されているのはミャンマーやベトナム、フィリピンです。実際の受験応募者数が多いのはベトナムの8.6万人で増加率は23.5%ですが、ミャンマーでの受験応募者数は2.2万人ながらその増加率は67.3%と注目すべき数字となっています。

海外ではどんな人たちが受けているのか?

小学生と中学生が約14%あります。学校の選択授業で日本語を勉強し、その実力を試したいから受けるといった理由が考えられます。
一番多いのは大学生や大学院生で46%を占め、約13万人です。他には会社員、公務員、教員、自営等の就業者が27.2%あり、数字としては7.7万人になります。理由としては会社での昇給や昇進に役立つとの回答が挙がっています。

日本語能力試験は、海外でも日本語力の判断基準として広く用いられているのがわかります。

認定されることによる日本でのメリットは?

高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度があります。

合計70点以上で出入国管理上の優遇措置がありますが、日本語能力検定N1の合格者は15ポイント、N2の合格者は10ポイントなどが加えられますから、これは大きなメリットです。

N1を持っていれば、海外において医師等の免許を持っている人が日本の同種の国家試験を受験することができます。

医師以外には、看護師、薬剤師、保健師、助産師、臨床検査技師、獣医師などが挙げられます。N1がなければ受験することさえできないということですね。

N1かN2があれば、日本の中学校卒業程度認定試験で国語の試験が免除されます。

EPA(経済連携協定)に基づく看護師、介護福祉士の候補者選定の条件をクリアできます。

目安はインドネシアとフィリピンの場合はN5程度、ベトナムであればN3以上です。基準が低いようにも思えますが、実際には、その後の短期間で日本語力を国家試験合格レベルまで上げることは非常に難しく、来日の機会を生かせず帰国するという問題も起こっています。

ここまでは実施機関である国際交流基金のサイトからの抜粋ですが、これ以外にもさまざまな場面でレベルが問われることは、受験の場面では特に多いですね。いくつか例を挙げてみます。

受験できる学校が認定レベルによってある程度決まります。

専門学校はN2もしくはN3を持っていることが望まれ、大学ではN1を持っていることが望まれます。大学や専門学校への準備学習機関である日本語学校でもどういった学校を受験し合格できるかの判断の目安としています。

ただし実際には、学生数不足に悩む学校では条件が甘くなる傾向があり、N2がなくても合格できることもよくあります。合格できても専門的な授業についていけないことになれば、高い学費を払っただけで、何も身につかないといった結果にもなるのですが。

入学後の学費免除があることも。

新設の専門学校などでは、N1があれば在学期間中の学費全額免除、N2があれば半額免除などの優遇制度がある場合があります。

まとめ

日本語能力試験について簡単に説明しました。外国人にとっていかに大切な試験かわかっていただけましたか。海外からも受験者が多いこの試験が、より多くの人に受験され、日本語学習意欲のもととなることを今後も大いに期待しています。

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