日本語教師か一般企業か迷っている若者へ

大学を卒業して就職を考えたときに日本語教師になるか、一般企業で勤めるか悩んでいる、という声をよく聞きます。これについては様々な意見があります。

大学卒業後すぐに一部上場企業に勤め、海外営業部という今思えばやりがいのある部署に配属されたのにも関わらず、今は日本語教師をしている者としての考えをお伝えしたいと思います。

一般企業に勤めていればよかったであろうこと

安定した給料

今の世の中、一部上場企業だったとしても安定とは言い難い状況があります。
それでも中小企業や自営業に比べれば、その安定度はやはり高めだろうと思います。業績不振のときにはボーナスの額が下がることはあっても、そうそうゼロにはなりません。
早期退職の募集がかかることがあるかもしれませんが、これに対し焦らなければならないのは45歳以上の方々で、若者にはあまり関係ないことです。

社会的信頼度が違う

サラリーマンであるといっても最近では簡単に辞める人も少なくない傾向ですが、それでも定収入があるということは社会的信用度が高いです。
ローンやクレジットカードの審査でもポイントの高い要件になります。
また、ひとつの企業に所属できていることは、社会人良識があり、きちんとしたコミュニケーションが行える人と判断される傾向にあります。
実際には自由奔放な私生活を送っていても、サラリーマンという肩書が良い隠れみのになるともいえます(語弊があるでしょうか)。

海外生活ができる可能性がある

日本語教師になりたい人が海外就労を希望していると仮定した場合、最近では一般企業での仕事を通してチャンスが回ってくることが少なくありません。
様々なことが世界規模で取引される昨今、どんな業種であっても海外と縁が出てくる機会は少なくないのです。
語学が得意でそれをアピールできれば、チャンスはさらに大きいでしょう。

ただし、これらはあくまで会社の決定次第です。時期によっては海外展開など考えないこともあります。もちろん、自分以外の誰かが選ばれることもあります。

日本語教師をしていてよかったこと

自分で自分の人生設計ができる

会社の思惑やスケジュールに縛られず、自分で自分の人生設計ができます。
日本語教師が不足気味だからこそいえるのかもしれませんが、会社の勝手な転勤命令に人生を左右されることなく住む場所を決めることができます。

男女の目に見えない差別がない

多くの一般企業にはまだまだ男女間の差別や格差があります。
特に女性は、女性だからこそしなくてはいけないこと(接待とまでいえないまでもお茶出しなど)、女性だからこそ気をつけなければいけないこと(セクハラ、マタハラに対する共通意識はまだまだ不安定)があります。

しかし日本語教師業界では、そのような差別はあまり見られません。
一般的な教師もそうですが、男女間の給料格差や昇進に対する差別は少ないと感じます。
逆に男性が差別と感じてしまう状況はあるかもしれませんが。

海外に出る可能性は自分で作れる

資格と十分な経験があれば、自分の望むタイミングで海外就職ができます。
海外で就労ビザを取るためには、高レベルな特殊技能かその国の国民では賄えない仕事である必要があります。
日本語教師はその特性上、日本人が優遇される仕事であり、自力で就労ビザを取ることのできる職種のひとつです。

良くない点を踏まえてのアドバイス

確固たる将来設計のもとに日本語教師をするなら◎

それぞれの良い点も裏を返せば、一方にとっての問題点になります。が、結局突き詰めれば自分がどう生きたいかによると思います。
確かに日本語教師の給料は低く、その割には残業も休日返上もありうる仕事です。
しかしその先に確固たる将来設計があるのなら、待機期間とも、必要な経験を積む期間ともいえます。

将来設計として私が考えられることは、海外での就職、または日本で高給のとれる日本語教師になることです。
そういったことは当然ながら一足飛びになれるものではありません。自分の望む姿になるためには、どんな仕事であっても訓練期間が必要なのは当然のことです。

社会経験のない日本語教師には厳しい職場かも

日本語を学びにくる学生は高校生の場合もありますが、その多くは大人です。
本人なりの目的をもって自国を飛び出し、海外である日本にやってきています(最近では親の仕送りでモラトリアム的に過ごす学生も多いですが)。
たとえ単なる語学教師であるとお互いに割り切ったつもりでも、“先生”という名がつく以上、尊敬の対象であると認識し合った方が事がスムーズに進むといった場面は多々あります。
東アジア系の学生はその意識が特に強く、社会経験のない先生に対して横柄な態度をとりがちといったことがあります。

早々に日本語教師を辞めてしまう人の理由のひとつに、こういった原因でクラスコントロールがうまくいかず耐えられなくなってしまうということが挙げられます。

まとめ

様々な問題があるにせよ、日本語教師はおもしろい仕事だといえます。仕事を通して、毎日外国人と接することができます。
毎日が国際交流。こういったことに興味がある人にとっては最高の職場です。
それなりの社会経験を積み、資格を取り、日本語教師を目指すことは決して間違った選択ではないと思います。

あなたの中で、“一般企業のサラリーマン = 一応のゴール”という認識であるならば、そこから外れるのは勇気が必要かもしれません。
しかしどんな職種であっても、自分にとってやりがいがあり、自分の心が喜ぶ仕事でないと続かないのではないでしょうか。

日本語教師になりたいと心で密かに思っている若者に出会ったら、私ならこの二つを伝えます。
「資格はきちんと取ってね」
「社会経験は必要だよ」

社会経験を積み、自分の気持ちを確かめた上でもう一度考えても遅くはない。そう、私は思います。

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