日本語教育能力検定と日本語教師検定って違うの?

”日本語”と名前がつく試験がいくつかあります。例えば、日本語検定、日本語能力試験、日本語教育能力検定、日本語教師検定などです。
名前がよく似ていますが、その違いはご存知ですか?

今回はそれぞれの違いについて、そして日本語教師にとって今後注目されていく可能性の高い日本語教師検定についてご説明します。

日本語検定と日本語能力試験の違い

まず、日本語検定ですが、対象は日本語を母語としている人です。小中高生や就活中の学生の間で人気がある検定試験で、母語である日本語の力を測る試験です。

それに対して、日本語能力試験は日本語を母語としない人のための試験です。
外国語として日本語を勉強する外国人の日本語力を測る試験です。
これについては、こちらで詳しく説明していますのでそちらを参考にしてください。→ https://jpnt.biz/jlpt/

日本語教育能力検定と全養協日本語教師検定の違い

上記2つの試験は日本語力そのものを測る試験ですが、日本語教師になる人、すでに日本語教育に関わっている人が受ける試験は、日本語教育能力検定と全養協日本語教師検定の2つがあります。その概要の違いは下記の通りです。

「日本語教育能力検定」

主催:公益社団法人 日本国際教育支援協会

目的:日本語教員となるために学習している方、日本語教育に携わっている方に必要とされる基礎的な知識・能力を検定すること

試験:年一回(令和二年は、10月25日(日)実施予定)

出題範囲:現場に直接必要な知識・技能だけでなく、日本語教育の背景的な知識、例えば、日本事情や世界事情など、全体として幅広い知識・能力を問われます。

この試験は1986年に始まりました。学歴を問わず受けることができ合格すれば日本語教師の有資格者として認められる試験として認知されています。
資格を得るためだけでなく、すでに日本語教師になっている人が受験することもあります(学校から取得を奨励されることもありますし、資格手当が付くことも少なくありません)。

「日本語教師検定」(正式名称は「全養協日本語教師検定」)

主催:一般社団法人 全国日本語教師養成協議会

目的:専門的な知識を測るものではなく、日本語教育の現場で運用する実践的な教授技術能力を測ること

試験:年一回 (令和二年は、2月16日(日)実施予定)

測定項目:現場で必要な知識・能力を重点的に測定する試験として、教育現場に必要な能力を細かく問うものになっています。日本語教師養成講座の中の教育実習の授業において担当教師が実習生に対して述べた、コメント(改善点)および教師の実践力に関する先行研究をもとになっています。

この試験は、日本語教育能力検定より遅れること20年、2006年より始りました。全国日本語教師養成協議会に加盟する全国の日本語教師養成機関から、日本語教師養成を担当する教員が集まって長い議論の末に生まれた検定試験です。
面接や授業観察でしか見えにくい実践力を検定試験という形でみることができるようにした試験ということですね。
日本語教育能力検定のように合格したから有資格と認定されるという直接的なメリットはありませんが、現場で求められる実践的知識と運用能力の基礎となるものが備わっているという証明になります。
(参照元:http://www.zenyoukyou.jp/kentei/aboutkentei.html)

全養協日本語教師検定試験の実施データ

第1回目の実施状況

2006年に実施されたときの受験者数は、712名です。その内訳は日本国内受験者が621名、韓国での受験者が91名です。男女比は男性が23%、女性が77%です。

日本語教育に既に関わっているかどうかについては半々の結果でした。
受験者の約半分にあたる352名を対象にしたアンケートでは、専任講師29%、非常勤講師44%、ボランティア20%という内訳です。
自分の実践力を知りたいというニーズが高い順番だと思われます。

このときの合格者数は478名、残りの234名は不合格という結果になっています。
合格の目安としては得点率60%以上ということです。

合格とは別にA~Dまでのランクもつけられ、A~C判定が合格になります。
また、受験者全員に今後のアドバイスを付した「合否及び成績通知書」が送られます。日ごろは学生にN1に合格するようにと発破をかけていますが、たとえ合格できたにしてもランク分けされるとは、緊張しますね。

第3回目はオーストラリアでも

この回からは、韓国に加えてオーストラリアの会場でも実施されました。
しかし、総受験者数は、国内が257人、海外は韓国で80名、オーストラリアで8名と1回目よりも減少しています。

このときの合格者数は170名、残りの175名は不合格という結果になっています。
約半数の人が不合格ですね。

第5回目は中国でも

この回からは、韓国、オーストラリアに加えて、中国の会場でも実施されました。
総受験者数も、国内が266人、海外は韓国で34名、オーストラリアで22名、中国で37名となり、総受験者数は359名と少しずつ増えています。

このときの合格者数は187名、残りの172名は不合格という結果になっています。
約半数の人が不合格という割合に変化はありません。

第7回目は海外会場はオーストラリアだけに

この回の受験者数は、国内が199名、オーストラリアが18名になってています。
総受験者数は217名です。韓国からの受験者数は年々減少していたのですが、ついにゼロになってしまいました。

このときの合格者数は142名、残りの75名は不合格という結果になっています。
合格人数割合は約65%で少し上がっています。

第9回目は海外会場はなし

この回の受験者数は、国内のみの133名となっています。
実施会場は札幌から沖縄まで国内10会場あるのですが、随分減少しています。

この時の合格者数は90名、残りの43名は不合格という結果になっています。

まとめ

実施状況をみると先細り感のある試験ですが、2017年の第12回の試験については採点結果についての報告がサイトに載せられています。
それをみると、現場で学生からの質問にきちんと説明ができるかの知識を問う内容としてよく考えられた試験だとわかります。作成する側の苦労がしのばれます。
今後、発展していくかそうでないか、しばらく見守っていこうと考えています。

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