バラエティに富む日本語学校、どう選ぶ?

歴史があり老舗ともいわれる日本語学校もあれば、新設校もあります。短期や夜間の学生が多い学校もあれば、1年以上の長期間学んでいく学生ばかりの学校もあります。

日本語教師として就職活動するとき、学校に対してどんなことを質問し、その結果からどう判断したらよいのでしょうか。また、事前にどういった点を調べておくとよいのでしょうか。

学生の出身国は偏っているか?それとも多国籍?

多国籍の利点はいくつかあります。クラス内での共通語が日本語になり上達が早いことや、学生同士も日本語を勉強しに来ているというモチベーションを保ちやすいことが挙げられます。

学生同士、お互いへの遠慮や配慮が働きますし、おしゃべりしたくても共通語がないという現実もあってか授業は静かでスムーズに進むことが多いです。

逆に一つの国に偏っている場合、日本語の上達という観点では、残念ながら良い点は見つかりません。

クラス内のムードは母国にいるときと同じようになり、緊張感がありません。お互いに甘えてしまい、緩い雰囲気が漂います。当然、授業内の私語も多くなりがちです。

そうなると、日本語教師は完全にアウェイ状態。多勢に無勢ですから、特に新人日本語教師にとってはクラスコントロールが難しいという結果になります。

学生たちの母国語に長けている教師であればまた少し違うかもしれませんが、「辛辣な批判や文句を聞きたくないからわからない方がマシ」という声もあります。

ただし、一国に偏ることがよくないとは、一概にいえない場合もあります。

最近増えているベトナムの学生などは年齢のわりに少し幼いという声が聞かれますが、それゆえに愛着を感じる、可愛くてたまらないといわれているのも事実です。

彼らの国民性を理解し、それに合った方法を学校全体で統一しやすいという利点もあるのです。

 

使っているテキストは何か?

日本語教師養成講座を修了したばかりの場合、学生が使っているテキストは何か、特に気になりますね。

講座で取り上げられていたテキストと同じであれば、やりやすいのは確かです。併設されている日本語学校にそのまま就職する人が多いのも、そういった理由です。

新人日本語教師はまずは初級レベルの担当になることが多いので、初級で使われているテキストは何か尋ねるとよいでしょう。

ある程度の経験がある日本語教師であれば、それまでにさまざまなテキストで授業をしていますから、逆に何を使ってきたか質問される場合も多いでしょう。

 

事務スタッフの人数に余裕はあるか?

海外から学生を迎える場合は在留許可であるビザが必要で、そのビザを取得するまでの事務作業は膨大なものになります。

また、入学後も折々ビザの更新が必要ですし、アルバイト探しの手伝いをすることもあります。加えて異国生活ゆえに起こりうる生活上のトラブルへの対応も欠かせません。

こういったことに対応できる事務スタッフが十分にいるかどうかも、可能な限り知りたいところです。

不足している場合、これらにあたるのは専任講師になり、常に大忙しであることが予想されます。当然、教務そのものにかける時間は少なくなり、非常勤にお任せ状態といったこともなきにしもあらずです。

しかし、その状況が逆によいと捉えることもできます。非常勤とはいえ経験年数は専任よりも長いベテラン講師の場合、「自分の力を向上させるためにも自由にやらせてもらえる方がいい」という声もあるからです。

 

学生の進路は?

来日し、日本語学校に入学する理由は学生によってさまざまです。成長著しい国から来た学生は、興味があったからという軽いノリの場合もありますし、日本で就職したいという明確な目的を持った学生もいます。

その判断材料とするのが「進路の結果」です。

大学か大学院、専門学校へ進むそれぞれの割合はどうか?

という点が、以前は注目されていました。

大学や大学院へ進む学生が多ければ学生のレベルが高め、もしくは漢字圏の学生が多いと予想できました。

しかし、今は違います。

進学ではなく就職していく学生がどのくらいの割合なのか?

その点を質問してみるとよいでしょう。

学校側は常に学生の目的に合わせた授業内容を試行錯誤しています。ですから、授業の形(文法重視、日本語能力検定重視、会話重視など)や学生の様子を想像する材料になります。

 

まとめ

複数の学校を掛け持ちする非常勤講師と情報交換をすると、色々と見えてきます。

学校により授業のやりやすさが違うこと、また、“やりやすさ”のポイントが人によって違うことがわかります。

経験年数によるところが大きいでしょうが、「授業の組立ての自由度が高い方がいい」という人もいます。

反対に、「ガチガチに決まっている方がやりやすい」という人もいます。

いったん就職が決まれば、その学校の方針に従っていくことになります。面接時には選ばれる側という気持ちで謙虚な態度で臨むことももちろん必要です。

それと同時に、就職する前に知っておきたいことを、面接時に忘れずに確認しておくことも大切なことです。

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