タイトルの問いに対する答えはYESです。
日本語教師になる条件はいくつかありますが、そのうちのひとつである「日本語教育能力検定に合格する」については、大卒か否かは問われません。
つまり大学を中退していても、短大卒や専門卒であっても日本語教師を目指すことは可能です。
しかし今から大卒資格を取りたい気持ちがあるのであれば、ぜひ取っておかれることをおすすめします。
そのために最適な通信制の大学もあります。
目次
なぜ大卒である方がよいのか
「経験が一番、優秀かどうかは大卒であるかどうかは関係ない」と、昔は言われたものでした。
しかし最近では大卒であることは最低条件として認識されつつあります。
それはなぜでしょうか。
日本語教師で就労ビザを取得するには大卒資格が必要
たとえば寿司職人などであれば大卒資格がなくても十分な実務経験があればビザは取れますが、日本語教師の場合は専門性の高い仕事とみなされるためか、大卒資格は必須要件になることがほとんどです。
大卒だから優秀な日本語教師ということでは決してありませんが、滞在許可を取得する必要がある海外ではまず経験云々より、ビザを取得できる条件が整っていることが優先されるのです。
国内就職でも大卒が問われることが多い
実際の例をお話ししましょう。
採用にあたって、私が電話連絡を入れたときにまず確認されたのは「日本語教師の資格はありますか。どんな資格ですか」でした。
私は日本語教育能力検定に合格していたのでそれだけで十分な資格だったはずですが、加えて大卒であるかどうかも問われました。
「はい」と答え、その後面接し採用されたわけですが、大卒でなかった場合はどうなっていたのでしょう。
もうひとつ、資格を得る方法として、420時間以上の日本語教師養成講座を修了するというものがあります。
法務省告示校で働くには大卒であることとセットになって初めて資格として認められます。
つまり、たとえ国内であっても、採用までのことを考えれば大卒であることは門戸を広げるのに必要な条件といえます。
大卒資格がとれる通信制大学があります
日本語教師を目指し、かつ大卒資格もほしい人に最適な大学があります。
それは「大手前大学」です。
短大卒の人や大学を中退してしまった人のための通信制大学は他にも数多くありますが、この大学は日本語教師になるための十分な講座があるとして今、注目されています。
どういった人が入学するのか
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- 就労ビザをとるために大卒資格がほしい
- 現役の日本語教員だけど大卒資格がほしい
- 日本語教育の専門家や研究者からきちんと学びたい
- 海外在住のままで日本語教員を目指したい
- 自宅の近くに日本語教員を目指せる学校がない
などが考えられます。
考えられるコースは3つ
1)4年次編入で大卒資格と日本語教師養成課程修了資格を得る
他の大学で取得した単位がかなりある場合は、その単位もカウントされるので、1年という短い期間で大卒資格と日本語教師養成課程修了資格が得られます。
ただし旧基準の修了資格となるので、国内の法務省告示校で働くことはできません。
2)3年次編入で大卒資格と日本語教師養成課程修了資格を得る
他の大学で取得した単位を活かし、さらに日本語教師養成科目を受講することによって大卒資格と日本語教師養成課程修了資格が得られます。
こちらは法務省告示校でも働ける新基準にかなった資格です。
3)日本語教師養成課程修了資格を得る
すでに大卒資格がある場合は、27単位の科目を受講すれば日本語教師養成課程修了資格が得られます。
教育実習科目も履修すれば新基準を満たすことになり、法務省告示校での就職も可能です。
日本語教師養成課程以外にも学べます
日本語教師養成のための科目以外にも、心理学やマーケティング分野など、150もの科目も受講できます。学ぶ楽しさをもう一度味わえるチャンスです。
心理学
日本語を学びに来る学生には現役の看護師や介護士、またはそういった職種を目指す人も多いことを考えると、日本語教師となった後にも役立つ学びとなります。
マーケティング分野
外国に進出した企業の現地スタッフに日本語を教える機会があったときに役立つ学びとなります。
ビジネス関連の専門語彙を知っていることは最低条件でしょうし、さらに知識を学んでいれば、採用のときの十分なアピールポイントになります。
費用について
上記の1)または2)のコースで正科生となった場合、スクーリング受講費、単位修得試験受講料を含めた金額で1年間あたり316,000円です。
月にすれば3万円を切りますね。ただし入学金と在籍料が別途必要です。
3)のコースで科目履修生となった場合は262,000円です。こちらも在籍料と教育実習費は別途必要となります。
別途必要という点が少し気になりますが、国立でも私立でも4年制大学で文系学部に入り日本語教師を目指すことを考えるとはるかに安い料金です。
通信制なので今の状況を大きく変えることなく、目的にかなった資格が取得できます。
時間と費用が限られた中での選択としては、とてもよい方法ではないでしょうか。
まとめ
最近、身近な人から大学を中退した話をよく聞くので、そういった方たちへのひとつの道としてご紹介しました。
日本語教師は決して楽な仕事ではありませんが、やりがいのある、おもしろい仕事だと思います。日本を飛び出して海外で生活したいと考える人には特におすすめします。
そのときの就労ビザ取得の必須要件となる大卒資格を、通信で取得できるのなら挑戦してみる価値はあると思います。