良い学校?悪い学校?

日本語学校も様々あり、玉石混交ともいわれますね。20年以上前、日本語学校の学生がまだ就学生と呼ばれていた頃、入国予定の学生が空港から逃げ出すことが相次いだ時期があります。
そんな理由もあったのでしょうか、お給料の遅延がたびたびありました。働く者にとっては、残念ながら悪い学校ですね。

良い悪いの判断はどこを視点とするかによって変わってきますが、ここでは学生側からみた良い学校を考えてみたいと思います。

学習面から考えて大事なこと

期の初めにカリキュラムがきちんと配られる

カリキュラムがきちんと立てられ、それに沿って進めていくことは学生にとっても、教師にとっても一番重要だと思います。
カリキュラムがないということは、目標やゴールが定められていないということで、個人的には考えられませんね。

初級・中級・上級・超級と上がっていく中での目標設定がないと、級のつながりも断絶され、進級したときに学生から不満が出ます。級が上がったら突然難しくなりすぎてやる気をなくすということも起こり得ます。カリキュラムを立てる時にはそういった級をまたいでの計画性も留意した上で作らなければと思います。

カリキュラムがなかったらどうなるか。まず教師側の準備が不十分になります。前日までに授業範囲がはっきりしないようでは、準備は当然おろそかになります。学生にとっても同じことが言えます。計画的に予習をすることができないのであれば授業にも積極的に向かえません。勉強だけに集中できる、親がかりの子どもではないのですから、前々から伝えておくことは必要です。

テストの点以外の評価もされる

普段の宿題の提出状況、授業態度の評価がきちんとされることは、出席率にもつながることとして重きを置くべきことだと考えます。ノートにひとつひとつチェックしていくなど、そのための方法がきちんと確立されていることが大切です。

出席率について厳しい

ビザ資格に見合った生活を心がけることは、ビザ継続のためには非常に大切なことです。出席率はビザ更新だけでなく、その後の進学や就職にも影響してきます。まだまだ若いため親元を離れ自由になって羽目をはずしすぎ、後になってビザ更新が難しくなったり、成績が下がって進学志望先を変えざるを得ないことになったり、果ては学校に来れなくなってしまうということもあり得ます。

外国の地であるからこそビザは大事で、海外で暮らす場合には当然押さえておかなければいけないポイントでしょう。中にはそういったことを踏まえ、上手に出席率計算などして休みを調整する学生もいますが。

生活面から考えて大事なこと

病気になった時のかかりつけの診療所を紹介できる

海外で病気になるとそれだけで不安になります。不十分なコミュニケーション力で診療を受けにいかなければならないこと、海外生活をやっていけるか不安になること、診療にお金がかかることなど。学生ひとりひとり気になる点やその深さは異なります。

そんな時に外国人の診察に慣れている医療機関を紹介できればどんなに心強いことでしょう。彼らが抱くであろう不安を察知し、適切なアドバイスを行うにはある程度の経験が必要です。病気で不安になっている時こそきちんとケアしてもらえることは重要です。

話は少しそれますが、病気で長い間休んで出席率が下がり、奨学金のチャンスを逃した学生がいました。薬を飲んでひたすら休んで療養したとのことでしたが、診断書があれば多少の考慮はあったかもしれません。そのような、彼らの特別な事情にも配慮できるとよいですね。

健康診断が実施されている

日本語教育振興協会からの基準によると「日本語教育機関は、生徒の入学後できるだけ早期にその健康診断を行うものとし、1年経過後、再度健康診断を行うよう努めるものとする」とあります。努めると書かれているだけに、実施されているかどうかは、他のことも含めて基準に沿って進められているかどうかを知る材料のひとつになりますね。

アルバイトの紹介が十分にできる

心に余裕を持つために経済的基盤を整えておくことは重要です。来日前までに必要な資金の準備はしていても、来日後の生活費は自分で稼ぐと考えている学生は多いことでしょう。またアルバイトは日本語力をつける良い機会ですし、日本社会を知る良い機会にもなります。

ということで、アルバイトの紹介から、時には面接の付き添いまで行う学校は多いわけですが、それらを誰が担当するのかという問題があります。専任の先生ですべてを賄うと仕事量は際限なく多くなってしまいます。そのためアルバイトの紹介は別部門でされていることがベストです。専任の先生にはできる限り授業に集中してほしいと思います。そうでなくても出席率、将来の進路、テストの作成、非常勤からの相談を受けるなど、やるべきことは多いのですから。

アルバイトは日本語レベル別で、学生にも選べるだけの数があればさらによいですね。時給の高さで選ぶ人、仕事のおもしろさで選ぶ人、将来のことを考えて選ぶ人、その選択理由もさまざまです。その仕事の内容や厳しさ、適性などを伝えアドバイスもできるとよいと思います。

事務部門に外国人のスタッフがいる

アジアからの学生は日本人と同じく英語が苦手な学生が多いので、それぞれの国のスタッフがいるとよいでしょう。中国、台湾、韓国、ベトナムなどその学校の学生の構成にもよりますが、できればその国の事情が理解できるように、その言葉に長けた日本人よりも日本語のうまい外国人の方がよいと思います。締め切り日がある提出書類などは日本語だけで伝えてよしとするのは非常に不安です。ただし日本語教師との距離が縮まるチャンスは減るので、必ずしも良いこととは言い切れません。

まとめ

入学して日本語力をきちんと身に付け、健康を保ち、将来への道を切り開く手伝いをする。そのために必要なシステムがきちんと作られ、必要な人員が確保されている。それができている学校はきちんとした良い学校でしょう。

しかしそういったことが継続して行われるためには、安定した募集活動があってこそです。アルバイトのところでも書きましたが、あれもこれも専任任せでは学習面にまで手が回らなくなるのは言うまでもないでしょう。募集活動は別部門。これもよい学校たるべき大事なポイントだろうと思います。

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