専任講師と非常勤講師、どちらがいい働き方?

専任教師は会社でいえば正社員。非常勤講師はシフト制のパートタイマー。
パートであれば、仕事以外の空き時間は自由に使えるのかというと、そうではありません。多くの非常勤講師は他の学校やプライベートレッスンを掛け持ちしています。

どうして専任講師になりたがらないのでしょう。

そういった疑問をもとに、専任講師と非常勤講師どちらの働き方がいいのか、仕事内容や将来展望の観点から考えてみましょう。

非常勤講師はよい授業をすることにすべてをかける

非常勤講師のお給料は授業時間に対して支払われます。1時間あたりなのか1コマ(45分/コマ)あたりなのかは学校によりますが、言い換えればそれ以外の時間に対してお給料は出ないということです。つまり、授業時間以外の業務に対しては理不尽だと声を上げることができるということです(怖いですね)。

授業時間以外の業務とは、採点、テスト作成、授業準備などです。この中で授業準備は人によってかける時間が異なりますし、自己責任の範囲ということで、これに対してお給料をもらおうと考える人はあまりいません。しかし、それ以外の採点やテスト作成については別途お給料が出る学校が増えているようです。それだけ非常勤講師の確保が難しくなっているのでしょう。

非常勤講師は「よい授業をすることにすべてをかけていい」という給与システムですから、授業の質を上げることに集中したい場合は、いい働き方だろうと思います。
ただし、掛け持ちしてどうにか生活費が確保できる程度であることと、ボーナスが支給されない部分がネックとなります。

専任講師は最後の責任をとる立場

非常勤講師が私的な用事または体調不良で休んだ場合、その穴埋めをするのは専任講師です。前もって申請された休みであればいいですが、急遽当日欠勤となった場合などは、精神的にかなりの負担でしょう。何の準備もなく、どのレベルの授業でもこなせるほどのベテランであればよいですが。

また学生一人ひとりの進路についても、いくら本人次第だとはいっても、結局は専任が最後まで面倒を見ます。担任制にして非常勤講師が面談をし、進路についてあれこれ考えたとしても、時間を思う存分かけられない立場ですから限りがあります。

生活面についても同様です。学生が原因不明の体調不良で重要な検査のために病院に付き添う、極端な話、警察沙汰になった場合などに動くのは専任講師です。学生からすると、専任と非常勤講師のいずれも週に1回程度出会う先生として差がなく、それどころか後者の方が信頼度が高い場合であっても、最後まで面倒をみるのは専任です。

考え方を変えれば、学生のすべてに関わり、密接な関係を築けるチャンスには恵まれているともいえます。どんなに学生の進路や生活面を心配していても、いざというときには専任講師に任せなくてはならないはがゆさを感じる非常勤講師もいないわけではありません。

カリキュラム作成、テスト作成、担任制について

 

学校によって違いますが、ひとつの学校の例を挙げれば、カリキュラム作成は専任講師、テスト作成と担任講師は専任講師と非常勤講師で分担しています。

こういった学校では非常勤講師の給料は総じて低めです。1コマ、約1800円程度。
午前・午後それぞれ4コマで7200円ずつになります。時給にすれば約2400円というところですね(授業準備のための時間は含まれない)。

テスト作成と担任の手当は別途出ますが、かける時間と労力を考えると、とてもそれに見合うものではないという声をよく聞きます。

別の学校では、カリキュラムもテストも非常勤講師が作るというところがあります。こういった学校では専任講師もたくさんの授業を受け持っています。専任講師と非常勤講師の仕事の差があまりなく、非常勤講師の給料は総じて高めです。

どちらの働き方を選ぶとよいか?

世間体や安定を重視するなら専任講師

会社でいえば正社員である専任講師のよさは、年金や健康保険などを学校の母体となる会社や学校法人が折半で負担してくれるというところにあります。
正直、“聞こえがいい”ということも見逃せません。まだまだ一家を支えるのは男性という考えがある日本社会では、既婚の男性がパートという不安定な状況では世間体としては気になりますね。

海外で日本語教育機関の責任的立場を狙うなら専任講師

アジアの新興国など、これから日本語教育に本腰を入れようとしている国からの募集要項をみると、学校の運営にかかわる仕事については、主任以上の経験がある人という条件があります。専任講師を長年経験してこそクリアできる条件ですね。

専任講師になるとできないことがあるなら非常勤講師

非常勤講師として働いている方々の将来のビジョンは、人それぞれでかなり自由という印象があります。そのため、そのようなビジョンに向かって今何をすべきなのかが明確であり、自分のペースで進んでいきたいという想いが強ければ非常勤講師がいいでしょう。

授業以外のことに時間を割きたくない。いろいろなレベルの経験を積みたい。日本語学校だけでなく、専門学校やプライベートレッスンなども経験したい。
これらは非常勤講師であればこそできることです。ひとつの学校の中で専任講師の人数は限られているので、レベルや仕事範囲も固定されることが多いです。

まとめ

専任講師と非常勤講師の仕事内容の違い、選択する際に重視するポイントなどについてご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
どちらもそれぞれ良し悪しがありますね。 でも、そういった選択の自由は、非常勤講師が不足気味である現状があるから可能ともいえます。
今後日本語教師の需要が減っていく状況が来たとして、それでも日本語教師を続けて行きたいとなれば、専任講師になっておく必要があります。
日本国内の状況、世界の中での日本語需要を見ながら最善の働き方をしたいですね。

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