日本語教育能力検定試験、合格に関するデータから

「日本語教育能力試験ってかなり合格率低いなぁ」「どんな人が合格できてるんだろう」日本語教育能力検定を受験しようかと考えたときにつぶやきそうな言葉を書いてみました。

検定試験に挑戦しようかと考えている方のために日本語教育能力検定について、また合格に関するデータを中心にお伝えします。

日本語教育能力検定は民間資格です

資格には、国家資格・公的資格・民間資格があります。国家資格が一番立派に感じられますが、それは難易度に直結しているわけではなく、単にその資格試験の管轄がどこなのかという違いです。国家資格で有名なのは、医師・税理士・弁護士などですが、身近なところでいえば普通自動車運転免許も国家資格です。

日本語教育能力検定の管轄は、日本国際教育支援協会です。未来の日本や世界を担う学生等に対する支援が事業目的です。留学生の日本語能力を測り、認定する「日本語能力試験(JLPT)」や日本語教育に携わるにあたり必要とされる基礎的な知識・能力を検定する「日本語教育能力検定試験」を実施しています。

日本語教育能力検定試験の結果データからの考察

昭和62年から始まった試験です。かれこれ30年たっていることになりますね。

受験者数と合格者数から

昭和62年度の受験者は4749人、合格者は935人でした。そこからの応募者の変化は上がり下がりを繰り返し、平成4年度には受験者が6829人、合格者は1272人とピークの数字が出ています。そこから少しずつ減っていき、平成10年度には受験者5253人、合格者1008人になりました。

そこからまた少しずつ上がり、次のピークは平成16年度です。受験者6688人、合格者1220人です。しかしそこからは急激に減っていき、平成20年度には受験者4740人、合格者1020人となっています。そして平成28年度は、受験者4909人に対し合格者は1231人となっています。

ここで気がつくのは、合格者の数の変動の少なさです。受験者数の増減にかかわらず一定の人数が合格できています。たとえば平成16年は受験者数は6688人で、合格者数が1220人でしたが、平成21年度については受験者数が5183人と1000人以上少ないにかかわらず、合格者は1215人です。

つまり、受験者数が上がっても下がってもある一定の数は毎年合格できるともいえます。高校受験や大学受験などと違い、合格できる枠が決まっているわけではなく「日本語教育に携わるにあたり必要とされる基礎的な知識・能力を検定する」認定試験なので、認められるレベルの知識を持ちさえすれば合格できるというわけです。

合格率20%、5人のうち4人は落ちるなどと聞くと不安になりますが、限られた席をとり合う試験ではないのでむやみに心配する必要はないと考えます。ただ認定されるレベルに達するだけの勉強をすればよいということですね。

受験者の年代別比から

平成14年度のデータを見ると、20歳代の割合は60%弱です。30歳代、40歳代はいずれも5%ほどで、50歳以上として10%をようやく越えています。平成21年度ではその割合は大きく変わっており、20歳代は37%にまで落ち込んでいます。それに対して50歳以上は23%ほどで、30歳代と40歳代に大きな変化は見られません。

退職後の第二の人生として日本語教師の資格をとる人が増えていることが考えられます。また大学に日本語科が新設され、検定試験合格という認定が必要なくなった、もしくは大学で専門に勉強した人にはかなわないと考える若者の姿も想像できます。

平成28年度は、さらにその割合比の差は開いています。50歳代以上は34%を占め、20歳代は26%ほどとなっています。50歳代以上の増加傾向はますます上がっているようですね。身近でもいらっしゃいませんか?ボランティアで日本語を教えているという高齢の方。時間に余裕があり、金銭的にはこだわりのない方々が試しに挑戦する試験とも想像できますね。仕事で海外に関係していた方などは特にひかれる認定試験かと思われます。

受験者の受験回数比から

受験するのが何回めで人数割合が出ていました。マークシートのアンケートで何回めかを問うものがありましたね、確かに。平成19年度から28年度のデータが紹介されていますが、この割合比には大きな変化は見られません。

ただお伝えしたいことは、その割合です。初めて受ける人が70%、2回めの人が18%、そして3回めの人が6%ほど、4回めの人が同じく6%ほどです。受験者が約5000人とすると300人が3回め、4回めになります。ぜひとも1回めもしくは2回めで合格してくださいね!

受験者の職業別比率から

比率の多い順では、会社員・公務員・自営業等の人が最も多く34%を占めています。日本語教師は中途採用者の割合が高い業種なので、転職を考えての受験なのでしょう。次に多いの主婦や主夫の15%です。この中に退職者は含まれません。子育て中の主婦が主でしょう。

妊娠を機に仕事をやめた人たちが次のステージへの足掛かりとして考えての受験と思われます。

次に多いのは日本語教員(非常勤)です。日本語教師養成講座を受け有資格者となり仕事に就きつつ挑戦しています。両方あれば鬼に金棒ですし、海外就職を考えた場合はこういった認定資格は大切ですからとっておこうということでしょうか。

次に多く、ほぼ同じ割合なのは退職者と日本語教員(常勤)です。

退職者については先ほど述べた通り、仕事で海外に関係のあった人たちが挑戦している姿が想像できます。

日本語教員(常勤)についてはさもありなんですね。

常勤にするか非常勤にするかは、仕事に時間をどれだけ使えるか、どれくらいのお金を稼ぎたいかという点で決められますが、責任の大きさ、指導する立場か否かという点では常勤にどうしても頼りがちになりますから、養成講座を受けただけでなく検定合格も当然という空気はあります。

現実問題として資格手当の有無にも関係してきます。

まとめ

いろいろな観点から出されているデータを見ると、今の日本語教師業界の状況が見えてきます。これを読んでくださっている方は何歳の方なのでしょう。どういった目的で日本語教師になりたいと思われているのでしょう。

有資格者となり採用されるには、日本語教師養成講座を受け修了するだけで十分ですが、その後のキャリアアップのひとつとして日本語教育能力検定に合格されることをおすすめします。

余談ですが、現場の様子を眺めると、日本語教師養成講座を修了した人は初級を担当し、日本語教育能力検定合格者は上級を担当する場合が多くみられます。初級担当と上級担当の力の差ということではありません。あくまで、その資格の内容の違いでしょう。

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