使える日本語能力を測るテストがあります!

ある会社の社長と話をしたときのこと。「(日本語能力検定の) N1を持っている外国人でも、仕事ができるとは限らない。あまり当てにならないね。」と言われました。
学校では日本語能力検定に合格するよう促しますが、仕事の現場では検定試験の信用度はあまり高くないようです。

N1を持っているから実力十分であろうと期待したものの、実際には日本語でのコミュニケーション力が不十分だったという話が、経営者や人事担当の間で囁かれているのでしょう。

使える日本語力があるかどうかを測る別の試験はないのでしょうか?

「BJT」があります!

そのものずばり、ビジネスシーンで必要とされる日本語コミュニケーション能力を測定するテスト「BJT日本語能力テスト」があります。

内容を簡単に説明します。

どこが実施しているの?

日本人の間で年々人気上昇中の「日本漢字能力検定」を主催している日本漢字能力検定協会が実施しています。開始されたのは2003年からです。

受験者数は?

2003年度からの累計志願者数は80,748名。2016年度の志願者数は6,661名です。

年度を追ってデータを見てみましょう。

 

<2009年度>
2009年度に行われた第19回テストの受験データは、日本国内での受験者が1,345名、海外での受験者が1,423名、合計2,768名です。
海外受験者の内訳は、中国が1,300名弱ほどを占め、残りはタイとインドでした。

同じく2009年度の第20回テストの受験データは、日本国内での受験者が1,821名、海外での受験者が1,508名、合計3,329名の受験者です。
海外受験者の内訳は、中国が1,300名強ほどを占め、残りはタイとインド、そしてこの回ではアメリカ・ハワイからの受験もありました。

海外からの受験者の大半が、中国であるのがわかります。

 

<2013年度>
2013年度の第26回テストの受験データは、日本国内での受験者は907名、海外での受験者は616名、合計1,523名です。
海外受験者の内訳は中国が大半を占め、44名がタイです。

同じく2013年度の第27回テストの受験データは、日本国内での受験者は1,432名、海外での受験者は1,396名、合計2,828名です。
海外受験者の内訳は、中国854名、タイ69名、台湾373名、ベトナム97名、アメリカ3名です。

インドからの受験者はなくなっていますが、第27回からは台湾とベトナムが突然登場し、それも注目に値する受験者数です。大々的なプロモーションでも行われたのでしょうか。

 

<2016年度>
2016年度の第32回テストの受験データは、日本国内での受験者が1,114名、海外での受験者が1,413名、合計2,527名です。
海外受験者の内訳は、中国581名、タイ57名、台湾421名、べトナム160名、韓国111名。その他は、インドネシア、マレーシア、ミャンマーが登場しています。
さまざまな国で注目され始めているようです。

同じく2016年度の第33回テストの受験データは、日本国内での受験者は1,461名、海外での受験者は1,623名、合計3,084名です。
海外受験者の内訳は、中国686名、タイ77名、台湾455名、ベトナム193名、韓国120名。その他は、インドネシア、マレーシア、ミャンマーからの受験があります。

この2回をみると、台湾、ベトナムの他、韓国の受験者数が増えているのに驚きます。
またベトナムが160名から193名、インドネシアが16名から57名に増えているということで、今後の動向が気になります。

 

評価方法は?

学習到達度テストではなく、能力テスト

日本語能力検定のように合否を問う「学習到達度テスト」ではなく、ビジネスコミュニケーション能力を800点満点で評価する「能力テスト」です。
日本人がよく受験する英語に関するテストでいえば、実用英語検定が日本語能力検定と同じで各レベルの合否を問うもので、TOEICがBJTと同じく点数を何点とれるかによって能力を測るものですね。

BJTも、今後はTOEICのように受験者数がさらに増え、信用のおけるテストとして活用されていくのでしょうか。

BJTを受験する理由は?

下のグラフを見てわかるように「就職・転職のための客観的な日本語能力の証明」という理由が約6割も占めています。
「勤め先で昇進・昇給の条件になっているため」という理由も挙がっています。経済的基盤となる仕事に関するテストとして意識されていることがわかります。

参考URL:BJT日本語能力テスト

今現在の得点分布は?

800点満点のテストに対し、分布図はきれいな山型になっています。
頂点は450~459点ですから、600点や700点を超えれば、相対的にかなり高いコミュニケーション力があると簡単に証明できます。
受験する甲斐があり、これから伸びる可能性のあるテストだといえるでしょう。

参考URL:BJT日本語能力テスト

企業側が求める外国人留学生の日本語能力

2006年に経済産業省が実施した調査では、外国人留学生を採用する際、日本語能力が決め手となったという結果が出ています。
その結果をふまえ、財団法人日本漢字能力検定協会が行ったさらに詳しい内容のアンケート結果をご紹介します。

内定の決め手は日本語能力

東証一部上場企業の人事採用担当者に行ったアンケートによると、「採用選考の応募者の日本語能力は不十分だが、内定を出した外国人留学生の日本語能力には満足している」という回答があります。
つまり、日本語能力の有り・無しが採用に大きく関係していることは言うまでもありません。

日本語のどんな能力を求めるか

同じアンケートによる結果では、外国人留学生に対して求める日本語能力として「自身の考えを表現する能力」と「相手の考えを理解する能力」を挙げる企業が多くを占めています。
もうひとつ注目したいのが「TPOや人間関係に配慮して適切に表現する能力」です。

日本語能力を重視する理由

日本語能力を重要視する理由として挙げられるのが「社内でのコミュニケーションのため」「日本人顧客の対応を伴う業務があるため」とあります。
このことから、外国人留学生を自国との海外部門のほんの一部や翻訳といった限られたセクションではなく、日本人顧客への対応を含めた日本人と変わらない幅広い活躍を期待していることがうかがえます。

参考URL:BJT日本語能力テスト

まとめ

最近の傾向として、留学ビザで来日し、日本の大学等へ進学を考える学生ばかりではなく、ビザの期間内で就職活動を熱心にする学生の姿が多くみられるようになりました。
そういった学生は総じて日本語能力が高く、日本社会への理解もすでに持ち合わせている、十分大人な学生です。また自国での社会経験を積んだ上で来日している場合もあります。

実際に彼らに尋ねると、「外国人枠ではなく日本人と同じ条件でエントリーしたい」と話していました。
応募が殺到する外国人枠よりも日本人と同じ条件で競争する方に勝算があると思ってのことでしょうか。
新卒採用を主とする日本なので、彼らのような社会人経験のある若者はエントリーさえもできないと話していましたが、そのチャレンジ精神は見習うべきものがあります。

今後、このBJT日本語能力テストの信用度がさらに増し、企業にとって安心して採用を決断させるテストとなり得れば、日本人だけに限らない幅広い採用へと変わっていく日も、遠い未来ではないと感じさせられます。

 

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